ノートルダムのせむし男
  • 原題:THE HUNCHBACK OF NOTRE DAME
  • 監督:ウォーレス・ウォースリー
  • 脚本:
  • キャスト:ロン・チェイニー/パッツィ・ルース・ミラー

  • 製作年:1923年
  • 製作国:アメリカ
  • 『ノートルダムの鐘』もうこれは有名ですね。みんなお読みになったりお話ご存知ですね。

    『ノートルダムのせむし男』けど、この間アニメでありましたね。ディズニーで、あの時は日本だけせむし男いう名前がいけなかったんだね。『ノートルダムの鐘』になりましたね。そういう所、日本はデリケートですね。と言う訳で面白いです。これはロン・チェイニーの当たり役なんですね。ロン・チェイニー言う人がこれをやってね、いっぺんに有名になったんですね。

    で、ロン・チェイニーのこの『ノートルダムのせむし男』これはね凄かったねメーキャップが。目の色もね、怖い怖い役しましたけど良かった。ところがジプシーの女が踊るんですね。それをパッツィ・ルース・ミラーがやってね、綺麗なダンスしましたね。で、『ノートルダムのせむし男』はロン・チャーニーの代表作ですけど、この人は『オペラ座の怪人』もやりましたし、もう昔からメーキャップ、顔を変えるのでもう有名なんですね。この人は自分で顎をはずせるんですね。自分で腕の骨はずせるんですね。凄い人なんですね。そういう訳でこの人は本当にロン・チェイニーはね47歳で亡くなりましたけど、亡くなる時にロン・チェイニーはあらゆる顔やりたいので、もう顎をはずすだけじゃなく、あれもこれも顔を変える、顔を変える、顔を変えるで、その顔を変える事で死んじゃったの。そんなロン・チェイニー、それが『せむし男』では見事な見事な怖い怖い顔になりましたね。で、「千の顔を持つ男」と言う名前付きました、この人の事。だからこの千の顔を持つ男言うので、後にジェームス・ギャグニーがロン・チェイニーの真似してやりましたね。

    というぐらい有名なロン・チェイニーの代表作品が『ノートルダムのせむし男』ですね。で、この映画で見事に出ましたけど、この人は色んなもう『オペラ座の怪人』もやりましたし、色んな事やりましたけれども『ミラクルマン』って言うのあるんですね『奇跡の人』これが又ロン・チェイニーの中々の当たり役でね、これはね、もういい役者がどんどん出てベティー・カンプソンとか色んないい役者が出るんですけど、これはそのちょっと、どういうのかしら世間を騙す連中がおりましてね、そしてロン・チェイニー連れて行きまして、神さんのこの薬飲んで、神さんのお祈りしたら、この通りこの男のこの崩れた顎、崩れた腕、いざりのこの足が立つんですよ。で、ロン・チェイニーがそれをいちいち本当の本気で「うーん」と言って顎の骨を治すんですね。自分で、それで腕の骨治すんですね。そうして、いざりが立ちあがるんですね。そこら本当に骨をね取って合わすんですね。そういう訳で世間でびっくりして、この一座のロン・チェイニーの事『ミラクルマン』と言ったんですね。そういう訳でロン・チェイニーはそういう風な役をどんどんやって有名になりました。この人の映画で『ブラック・バード』と言うのが有るんですね。女のね怖いお婆さんになるんですね。そのお婆さんが中々上手いんだね~。メーキャップがいかにもお婆さんでね。これに衣装着けているんですね。そのお婆さんの顔がとってもいいんですね。ところが後に、ヒッチコックが『サイコ』で、その通りの扮装でその通りの感じでラストシーンにあの主役の男をそのロン・チェイニーそっくりのお婆さんにしたんですね。

    という訳で、ロン・チェイニーはメーキャップのもう最高ですね。可哀想にその人が47歳で亡くなったなんて言うのは、どんどん顔を変える、顔を変える、顔を変える、その苦心したんですね。その顔を変える事で一生をこの人台無し、と言ったらおかしいけど、捧げたんですね。で、ロン・チェイニーその『ノートルダムのせむし男』は今日ご覧になったら、どんな顔で出てくるか、どんな扮装か、もうそれは呆れるほど見事ですね、メーキャップが。で、ロン・チェイニーはそういう人です。で、今ロン・チェイニーを知らない人は、いっぺんこの『ノートルダムのせむし男』これご覧になったら「はーそうか、こんな顔かー。」言う事がおわかりになりますし、この時のジプシーのダンサーも中々良かったですよ。

    【解説:淀川長治】